そして、ついに

運命の時が――――来た。


「……あのさ」

口を開いたのは、文弥だった。

絢音は箸を止め、文弥を見つめる。

「どうしたの?」

「……俺、考えたんだけど」


悠里は固唾を呑んで文弥を見守った。

緊張で、とっくに止まっているはずの心臓が大きく脈を打つ。

絢音と悠里と天野が見つめる中、決意を固めたように文弥は言った。


「俺、絵梨子とは別れようと思う」