なんだ、普通じゃないか。

文弥の隣に座った悠里は、ホッと胸を撫で下ろした。

2人とも、特にピリピリとした様子はないし、緊張しているふうでもない。

「余計な心配だったなー」

そう言って天野を見ると、天野は悠里のことは完全無視でメニューを眺めるのに没頭していた。

うわぁ何これ美味しそう!と、絢音の隣で目を輝かせている。

「ちょっと…天野さん?」

「ねぇねぇこれ見て!特盛ぶっかけカツカリーライスだって!特盛だよ特盛!」

「…そりゃよかったね」

ひとしきり騒いだ後、食べられないのを嘆き始めた天野をなだめている内に、文弥が注文していた品々がテーブルに並んでいく。