「ここって、前にも来たことあるよね?」

座敷に通され、ジャケットを脱ぎながら絢音は言った。

「ほらあれだ、ポテトサラダが美味しかったところ」

「あー、あれってここだっけか」

絢音の向かいに腰を下ろした文弥は、メニューを見ながらネクタイを緩める。
メニューにポテトサラダを見つけ、あぁこれこれ、と笑った。

「これ、かなり美味かった。また頼む?」

「お願いー」

文弥は店員を呼び、ビールや惣菜を適当に頼んでいく。もちろんポテトサラダも忘れない。