……俺は、


悠里は、天野の肩に甘えた。
頭を落として、溢れる感情を抑える。


……絢音が好きだった。


でも、言わなかった。

言えなかった。

それは、3人の関係が壊れてしまうのが恐かったという理由だけではない。


悠里は、文弥と絢音が互いを特別に思っていたことを知っていた。


好きだと言って、自分が傷つくのが恐かった。

悠里の気持ちに答えられないのに、無理に明るく振る舞うであろう絢音の笑顔を見るのが嫌だった。

文弥はどう思うだろうと考えるのがつらかった。