「続きだけど…」


スカルは隣にいる那佳を一度見てから言葉を続けた。


「この広い宇宙の中で会えるかも分からない人を捜している。でも、なかなか見付からなくてね…。何度も国を出て、色々な惑星に行って捜しているんだ。」

「じゃあ、今回は地球に捜しに来たの?」
「そうだよ。」


佐和子の真っ直ぐな視線を受け答えると、スカルは那佳を見た。
あまりに真っ直ぐで近いその距離に那佳は視線を外そうとした。


「でも、ようやく君を見つけたんだ。」
「え…っ」


外しかけた視線を戻すと、真っ直ぐなその赤い瞳に捕われそうになる。
合わせることも外すことも出来ない那佳は視線をさ迷わせた。


「二人は知り合いだったの?」
「え!?初対面だよ!…多分。」


スカルの発言に驚いていた佐和子がぽそりと疑問を呟いた。

反射的に那佳は佐和子を見て否定したが、自分を見ているスカルの視線に居心地悪くなり、視線をテーブルの上のカップに落とした。

そのため、那佳の言葉に少し瞳を揺らしたスカルがいたことを誰も知らない。


「あまり一気に話すのも良くないかな。混乱してるだろうし、続きは今度にしよう。」


そう告げてソファーから立ち上がるスカルは、ギイを一瞥して入口へ向かう。


「ま、待って!」


スカルを止めたのは佐和子で、スカルは顔だけで振り返った。


「あなたの名前、教えて。」
「…スカルラットフロマ。スカルでいい。」
「うん!あたしは伊勢谷佐和子。宜しくね!」
「あぁ、宜しく。」


突然のことに驚いたスカルだったが、にっこりと笑う佐和子につられて、笑みをこぼした。