「こんなのは、夢だ。夢に違いない!」 窓どころかドアさえも消えてなくなってしまったこの部屋から脱出する方法など、皆目見当がつかない。 「誰か、誰か、誰か!」 必死で助けを呼びながら、私は白い壁をかきむしっていた。