「こんな馬鹿な事があるものか……」


その次になくなっていたのは、暖炉だった。煙突まで含めて消えてなくなり、ただの壁になってしまっている。先ほどまで炭に火が灯っていた痕跡は、もうどこにも感じられない。


さらに後ろを振り向くと、今度はベッドが消えている。白い壁に囲まれた何もないその部屋は、まるで刑務所か何かの様だ。


慌ててもう一度振り向くと、すぐそこに積み上げられていたはずの薪が、ひとつ残らずなくなっていた。