まだ外が暗いうちに、私は目を覚ました。 四、五秒であろうか、そっと耳を澄ましてみたのだが、何も聞こえない。集音系統のパーツに不具合があるのではないかと思うくらい、音のない静かな朝であった。 起き上がると、窓から外の様子を窺うことができた。辺りは雪の白一色で塗りつぶされている。そして空からは、暗い朝を埋め尽くすように、止めどもなく雪が舞い落ちてきていた。