引っ張られそうになる手を少し引っ張り返した
「お茶か、コーヒーいれようか?」
「いいよ、いらない」
「でもっ」
「……緊張してる??」
つないでない方の手がアタシの髪を撫でて、後頭部にまわされるとキス
優しくて、甘くて、深い
ゆっくり時間をかけて力も抵抗も奪われる
「直也……」
意識せずに、名前を呼んでしまっていた
「みずきの部屋、連れて行ってもいい?」
直也の声がアタシを口説く
全身が熱くなって、ほんとに心から、なにもかも直也に流れていく……
声が出なくて、うなずいた
握った手を強く引かれて、アタシ達はリビングを出た