さかさまになった直也の顔がのぞきこんできた


彼の足の間で、顔を両手で挟まれて


豆電球が薄暗く二人を照らす


「前に寺野の連絡先は削除しただろ?」

「だって、学校で毎日会うもん」



直也がアタシの鼻をつまんだ


「どうすればフラフラしないんだ、お前は」

「フラフラしてないもん」

「してるだろ」



少し首を振ると、指がはなされて、また両手で顔を挟まれる



「俺の彼女になれば、他の男とベタベタしないって言っただろ??」



さかさまの直也の顔が少し近づいてくる




「どうすれば、みずきの全部が俺のものになるか


教えて」