冷蔵庫をあける音がして直也がキッチンから姿をあらわすと、アタシの前に小箱を差し出す



「ケーキ買ってきた」



ケーキ??

甘い物嫌いなくせに??


両手で受け取ると、ソファと小さなローテーブルの間にペタンと座って箱を開いた


「ショートケーキ一個と、チーズケーキ一個……??」

「二人でホールケーキは食えないだろ」



「サンタクロースが乗ってない…」



「ガキかお前は」



直也がアタシの後ろのソファに座る


少し体を横に向けると、直也の顔を見上げた



「怒ってないの?」


「むかつくけど、俺も悪かったって…思ってるし」



思いがけない言葉に少し驚いて、パチパチとまばたきをして直也を見つめた