鍵をあける頃には目から涙がこぼれていた


ドアをあけると、玄関の電気がついている


涙でにじむ目をあげる


……電気、消し忘れた??


リビングからこちらに向かって歩く人影に息をのんだ





「お前、泣いてんの??」




驚いて言葉を失っていて

返事する前に直也がアタシの横をすり抜けて行く



「ま、待って……」



アタシは片手で涙をぬぐうと直也の後を追った



自分の家に帰ったのかと思いきや、少し先で寺野をつかまえてる直也


「ちょ、ちょっと…なんで……」


走りながら、もう一度涙を手の甲でおさえた




「なにみずき泣かせてんだよ!」



直也の声が夜の空に、アタシの頭にこだました