ショッピングモールを出ると、暗くなり始めた街をイルミネーションが彩っていた

ピンクやイエローの明かりが木々を不思議な色に染めている


甘すぎる

寺野と過ごす時間は

彼の一人ファッションショーも

語る言葉も

カプチーノも


甘すぎる、アタシには



「帰らなきゃ」


「なんで??」


直也が帰ってくるかも知れない


アタシが出かけてたことがわかると、また不機嫌になるのかな


「剣道部の連中とクリスマスパーティなんでしょ?ほっとけばいいじゃん」

「でも、毎日夜はうちで食べてるから」



寺野は小さくため息をついた


「不倫してる気分だよ、俺」


アタシは結婚してないよ??
だけど返事ができなかった



「家まで送る」


ゆっくりと寺野がアタシの手を握った

彼の手はものすごくあたたかい