名残惜しいわけじゃないけど、玄関まで見送る


やっぱりアタシ達にクリスマスなんて関係なかったみたい


いつも通りにごはんを食べて時間をやり過ごすだけ


いくらテレビがロマンチックなムードをかもし出しても、アタシ達には響かない




「みずき」




くつをはいた直也が振り返る

一段上に立つアタシと目線が近い


アタシは冷たいフローリングの上で、片方の足先を反対の足にすり寄せて冷えていくのを防いだ



「ん??」



気のない返事をする



「お前の好きな男って誰?」



直也の口から流れるように質問された



「何、突然」


なんでそんな事聞くの?

なんて答えればいいの?

なんて言わせたいの??


ってゆうかさ


アタシってほんと、直也の何???



悲しくなってうつむいた



「明日……」



答えないアタシに、直也が告げる



「明日でかけるなよ」



アタシの返答を聞く前にドアが開いて、閉じた



「なん…で??」



鍵をしめるとリビングに戻る



自分だけクリスマスパーティじゃん


なんでアタシだけ一人で寂しくここに居なきゃいけないの??


そんなこと言われる筋合いない!!


もう、お弁当だって作らない……!!