当たり障りのない会話


テレビから流れるクリスマスソング


暖かい家の中


「クリスマスケーキは?」

甘いものはあんまり食べない直也が聞いてきた



「買ってない」

「お前のことだから、買ってるかと思った」

「買ってないよ、直也甘い物食べないじゃん」

「イブなのに」



そうだね

クリスマスイブなのに



そう思うなら直也が買ってきてよ



そんな言葉を押し込めると、胸が痛くなる


なんか変だ、アタシ達


並んで座るソファ

アタシはそこで三角座りをして、ひざに頭をもたれかけさせた


直也が大きな手のひらでアタシの頭を数回撫でると「俺、帰るわ」と立ち上がった