「終業式にも弁当~~~??」



背後から声がして驚いて振り返った


直也と真田さんもこっちを見たのがわかる



「寺野」

「また秋山に??」

寺野が体を傾けてアタシ越しに教室をのぞきこむと、またアタシに視線を戻した

「秋山、弁当持ってんじゃん」

「え??」

寺野はなんてことないって感じでそう言い放つ


「じゃあ、宇佐ちゃん手作りの弁当は俺がも~らい

好きなんだよ、宇佐ちゃんの手料理」


アタシの手からぱっとお弁当箱を取ってしまった


「食って帰ろっかな~

つきあってよ」


その途端今度は教室の中から手がのびてきて、寺野が持っているお弁当箱が取り上げられる


「俺のだから」


その一言を残すと、直也は部活へ行ってしまう


それを追いかける真田さんの後ろ姿を見送った



「なんだあれ?」


寺野が不服そうに眉をうごかした