できないです


こんなとこで………!!!



人が少ないとは言えど、誰もいないわけじゃない




「チッ」




舌打ちで催促とは!!


視線を戻して不機嫌な顔に微笑んでみる




「は??」




効果ゼロ


ぬかに釘打ってるアタシのかわいそうな光景



小さく息を吐いて覚悟を決める


み、見られてないよね??




視線だけを動かして周囲を確認






な、なんか辱めを受けているような…




「すっとろいからもういい」



待ちくたびれたのか直也は暴言を吐いて、サッサと立ち上がると先に行ってしまった


すっとろい……!?





梅雨空が続いていたあの日の夜を思い出す


同じように不機嫌になった直也のご機嫌をとるのは大変だった



そういえば、あの時も原因は寺野だったな