女の子はファーストキスを大切にしよる生き物。


多分、これが彼女のファーストキス。


なら、一生心に焼き付いて消えない、極上のキスをプレゼントしてあげるわ。


……お仕置き中やけど、特別やで。


「……っ!?」


歯列を割ってスルリ、舌を絡ませる。


「ん……!」


苦しげに眉をひそめて、潤んだ甘い声をこぼされれば、どうしようもない愛おしさが込み上げてきて、もっと深く愛したくなる。


……プレゼントされてるん、ボクの方やないんやろか。


絶対言われへんけど、今、柄にもなくドキドキしてんねん。


「じゃあボクとしても問題あれへんね」

「……?」


そう言って唇を離すと、疲れ切った表情で顔を真っ赤にした彼女が、小さく首を傾げた。


「本当に好きな人としかこういうコトせェへんねやろ?」

「う……ん?」

「なら、ボクとするんは問題ないやろ」

「?どういう……」

「まだ気付かれへんの?」


首筋に唇を寄せて、そのまま耳元まで這っていく。


そして、彼女の赤く染まった小さな耳に、出来る限り優しく、甘ったるい声を注いだ。


「キミ、ボクんコト好きなんやで?」