「さいて……!」

「最低ねェ……。

彼氏おるのに他の男の家に行くような女の子は最低と違うの?」


パーカーのファスナーがジリジリと下ろされる。


慌てて胸元を隠そうとした私の手は、彼の大きな手に簡単に剥がされて、頭の上で拘束される。


「やめて!」

「なんで?

キミも阿呆やないやろ?

年頃の男女が2人きりになったらこーなることくらい、ウチ来る前に想像出来たんとちゃうの?

せやのに来たんやから、少なくとも食べられてもええって思たってことや」


「違……!」

「ボク、嘘キライやねん」


お洒落な服に身を包んだままの彼の下で、いつの間にか一糸纏わぬ姿にされた私。


自分だけが肌をさらしているという状態が、燃え上がるような羞恥心を生む。


「や、め……」


ギシリ、ソファーがきしむ。


「こないだ喰いそこねてしもォたさかい、今日はちゃんといただきますわ」


彼の唇が耳に触れ、ザラリとしたぬるい感覚が耳を掠めた。


「……慣れてんねやろ?」


甘ったるい声が耳に注がれ、同時に身体を愛撫された瞬間、張り詰めていた心の糸がぷつりと切れた。


「ご……め」

「なん?」

「ごめ……な、さぃ……」