女の人の鋭い視線を背中に受けながら、私たちは肩を並べて歩き出した。


「……いーの?

あの人めっちゃこっち睨んでたけど」

「えーのえーの、気にせんとき」


……気にするよ。


なんだか彼の隣りを歩くのがすごく憂鬱。


この人は、いつもあんな綺麗な女の人を連れて歩いているのかな?


なら私なんかを隣りに歩かせるの、嫌じゃないの?


あの人の綺麗に巻かれた金髪と比べたら、自分なりにオシャレしたつもりのポニーテールが、すごく安っぽく感じる。