ピストルの音よりちょっと遅れて走り出す。



ビリがさらにビリじゃーん(泣)


……それでもいいもん!がんばるもん!



シタタタタタタ!!!


体育ではかった記録だと、100メートル走、余裕で20秒越え。


それって秒速何メートル?←ばか


結果は気にしない!あたし本気だもん!




最後まで走……











―――ズベッ!!





あ。







「だぁーー!!!」





目の前が反転。



地球は自転。←関係ない。



叩きつけられたカラダ。



思わず目をつぶって、おそるおそる開けると乾いた赤土の地面。



まわりからの“がんばれー”という声援。


クラスのみんなの“ゆうゆー!”と叫ぶ声。



あれあたしってば人気者……。


じゃないだろ!




あぁ、あたし……またやってしまった……転んだ……。



最っ悪~!



(はやく立とうよ)



もういいや、ビリどころかゴールもしてない。



もう次のピストルの音がする。


ゆっくり起き上がって、ひざを見ると血がだらだらと垂れている。


しかも足首をひねったらしい。


うぅ……誰かぁ~……。



……おかしいな。あたしのシナリオだとここでイケメンが駆け寄ってくるハズ……なのに……。







「へるぷみー!!!(泣)」