「嗚呼……かみさま~……」
あたし……助かるんだ……
安心して気を抜いたら、そのまま意識はぶっ飛んだ。
幸せな夢をみた。
白馬の王子さまにお姫様抱っこ、
腕の中はとても落ち着く。
ふわふわしたいい香りがする。
でもこれもきっとまたあたしの妄想なんだろうな……。
――目を開けると、落ち着く色の天井。
あぁ、保健室のベッドか…
……と、人影を感じてちらと横をみると……。
「起きた?」
………………!?
なななななななななな!?
なにこのイケメン!
「だ、大丈夫で…す///」
「よかった。これあげるよ」
王子が差し出したのは、飲みかけのポカリ。
……って、飲みかけ!?ホントに!?
「い、いいんですか!?」
遠慮をしらないあたし。
「いいよ?」
ぐはっ!
ニコッと笑った王子スマイルに一撃。
ていうかこんな人いたんだぁ……。
みたことないから先輩かな?
「あのぉ…ちなみに…」名前は……
「ん?あぁ、僕は雪原翔太」
“ゆきはらしょうた”
名前にキュン(笑)
そして一人称が「僕」!
キターーーー!!
「雪原先輩は何年ですか?」
「え?ははっ、一年だよ」
「なぬ!?」
同級生だったぁぁぁ!
「知らなかった?」
少し首をかたむけて微笑む雪原くんは、ほんとにほんとに白馬の王子さまみたい。