涙目でそう言う咲からおりて、


「朝ごはん持ってくるから着替えといてよ!」


と言ってキッチンへ行く。


トーストを二枚持って部屋に戻り、咲に一枚あげる。



それをくわえて、



「よし!咲れっつらごー!」


自転車に二人乗り。



「お前は自分でこぐって思考にはならないのか!…………別にいーけど」



ん?最後のほうがよく聞こえなかったぞ。



「だって今日は咲がいるんだもん」


立ち上がって咲の肩に手をおく。


片手は空高く突き上げている。←



「おまっ…ちゃんと座ってろ!危ねーよ!」


「あたしは大丈夫!」


「俺がコケる!!」←



あーだこーだ言いながら、結局学校についたのはお昼。



「二人でお昼登校~~~!?ついにそういう感じ!?きゃー!」



って、おはようも言わず、花音はなにやら妄想を始めた。



「別に変なことしてないし~。朝起きたらとなりに咲がいたくらいで、けどなにも…」



その発言の何がいけなかったのか、



「やっぱり!だから今日は髪がちょっと乱れてて、顔がつやつやしてるんだぁぁ~!!」


え?あの……髪が乱れてるのは、時間なくてテキトーにやったせい。


顔がつやつやなのは…実はめんどくて洗ってません。←



「だーかーら、咲とはそんなんじゃないってばぁ」


「え?じゃあなに、アソビ!?うわ~ゆうゆってば」


花音……。目をさませ!