「ハァアッ!!」




ードゴォッ!!




男性の懐に入り込んで、右の拳を溝に打ち込む。



「ぐぁっ!」




と、呻き声を上げて後ろに吹っ飛んだ男性




鞄が男性の手から落ちる。




だがすぐにそれを拾って立ち上がった。




「チッ!!」




そして、懐から取り出したのはー‥




「げぇっ、ナイフ!!」



あっぶねぇっ!!




「うぁあーっ!!」




半ばヤケクソになってナイフを向け走ってきた男性




「ーッ!」




頬に掠め、赤い雫が見えた。




だけどすぐに体勢を直し、




「ハァッ!」




ナイフを蹴り上げた。




男性の手から放り出されたナイフ




あたしは蹴り上げた脚をそのまま振り下ろした。



「カハァッ!!」




あたしの脚は男性の後頭部に直撃した。




男性はそのまま倒れて気を失ってしまった。




あたしは鞄を拾おうとしたらー‥




「この鞄ですよね?どうぞ。」



「あっ、ありがとうございます!!」



「いえいえ。これからお気をつけ下さい。」




と、中臣が女性に鞄を渡し、笑顔で送り出していた。




「手柄泥棒!!」



「人聞きの悪い。」




だってさぁ!!