ゆっくりと中臣の指が三本立つ。




『遺体と、床の距離。』



遺体と、床の距離?




頭の中で繰り返してみるがいまいちよくわからない。




『僕、遺体の近くまで行ったの覚えてます?』



『あ、うん』



『その時、不信に思ったんですよ。“高すぎる”って……』




“高すぎる”?




死体の位置が?




でもカーテンレールロープが掛かっていたならそれ相応に高くもなるんじゃ……




『実央さん、よく考えて。自分より高い位置にあるロープに自分の首を掛けるんです。
あの状況では、それが不自然なんですよ。』



『………………。』




不自然?
あたしはゆっくりとよく思い出させれる。




あの状況で、
あの部屋で、




あの高さのロープで…




何かが不自然……




『……!!』