「…バレちゃいましたねぇー‥」




あっさりと、ため息をつきながら認めた中臣




「…で?」



「…なによ。」



「どうしますって事ですよ。」



そうねー‥、とりあえず、




ゴンッ!!




「!?」




中臣を一発ゲンコで殴ってやった。




「…ちょ、え?」




珍しく慌てる中臣




「アンタが、自分が、小説家って事を世間に言わなかったのは、自分の今の生活を壊されたくなかったから?」



「え、まぁそうですね。高校生ってだけで群がる輩もいますからねぇ。」


「あっそう」




ゴンッ!!




「!!?」




もっぱつ中臣を殴った。



「~っ、ちょっと実央さん、さっきから何を……」



「うっせぃ!!」




ゴツンッ!!




今度は頭突きしてやった。




「~っ、あーもう何ですか!そりゃ黙ってたのは悪かったですけど……」


「そんな事言ってんじゃないわよ!!」



「は?」




中臣の呆けた顔




「確かに、アンタとは会ったのも、会話したのだって短いよ。
‥けどさ、言ってくれたっていいじゃん。あたしじゃなくて、他の人にでも。
……もっと、人を、信用してくれたっていいじゃない。」



「…なんで」



「アンタ見て、ちっとも楽しそうじゃないのよ!やけに大人びて、この世に何も期待してないみたいな、そんなんつまんないじゃん!」




あぁ、あたし、何言ってんだろ。




「‥誰にも言えなくて苦しいなら、言っちゃえばよかったのよくそっっれがぁ!!」




中臣は、誰にも言いたくないって言ってたじゃないか




でも、でもさ、




‥アンタの、あんな顔




『……ありますよ。
ずっと。ずっと知りたいと思う。実央さんより、ずっとね。』




あんな言葉、




でも、他人の感情を知ろうとしなかったのも、アンタじゃないか。