「…何が目的ですか……」



「べっつにーぃ?
ただあたしはなんで黙ってたのかなーと。」



「言うことではありませんし。聞かれませんでしたからね。」




聞いてくれるな、っていうオーラ出してたのアンタじゃん。




ため息をつき、中臣が寝ているベッドにあたしも腰掛ける。




その紙切れをもう一度見る。




その紙切れは、いわゆる原稿用紙ってやつ




あたしはてっきり夏休みの小論文かと思ったけど



読んでいくうちにわかった。




これは一つの物語だって。




原稿用紙に綴られている物語はミステリー




その物語は、
あたしが一度よく知っている本に書き方や、進行の進め方




あたしがよく読んでいた本に、それはそれは知っていて




この部屋にもある。




コイツは、




アンタは、




中臣は、




「‥アンタ、“ハヤテ”っていう作者、知ってたんじゃん。」




知ってる筈だよ。




だって




本人じゃない、中臣。