図書館を飛び出す。
「‥あ。」
飛び出してわかった。
あたし中臣の家知らない!
「‥~~~っ!」
ああもう仕方ない!
足を進め、走り出す。
あの言葉の、
あの時の、中臣の表情が思い出されて、
伝えなきゃ、
そう思った。
「…ハァッ」
走って、たどり着いたのは
相楽君の家。
インターホンを鳴らし、中から出たのは相楽君
まぁ相楽君の家なんだから当たり前なんだけど。
「あっれー?どうしたの?」
「あの、いきなりでごめんね!今日、中臣図書館に来なくって……それで、その、心配って訳じゃないんだけど、伝えなきゃいけない事もあるから………だから、その」
来る途中に掛けた携帯も、出てくれなかった。
「ソウ?
あ~‥アイツね、多分アイツなら……そんな気にしなくて平気だよ!」
「でも………!」
今すぐ、言わなければいけないと思った。
俯くあたしを見たのか、
「ソウが心配?」
相楽君が聞く。
多分、あたしは、無意識に頷いたんだと思う。
だって相楽君が凄く優しい笑顔で微笑んでいたから。
「あれ。」
ピッ、と指差した相楽君の指の先