うざみんは手帳を見るように下を向いていた。




「…やはり妹さんの事と、金を渡すのと

‥関係を、強要されたそうだ。」




ー‥関係を




「…そっか……」




人間の感情は、深い。




だけど同時に、単純な事もある。




周りにわからない、他人の感情。




前田さんの、誰にも言えなかった感情。




『……ありますよ。
ずっと。ずっと知りたいと思う。実央さんより、ずっとね。』




不意に、中臣のあの言葉を思い出して、




「うざみん!今ヒマ!?」


「んんっ!?デートのお誘いかね轟君!!是非とも受けたいところだが私は署に帰って調書を……」


「ここの図書館の受付頼むわ!5時なったら戸締まりよろしく!!あたし中臣にこの事知らせに行ってくっから!あばよ!!」



「ちょ、轟君ンンンンンン!!??」