あたしは深呼吸を一回だけして、中臣に質問した。
「中臣、答えて。
アンタは、犯人を捕まえたいとか、事件を解決したいなんて、一度も思った事ないでしょ。」
「‥高校生である僕がする事ではありませんしね。本来なら警察の仕事ですから。」
じゃあ、なんで事件を解決したの?
その言葉を飲み込む。
何も言わないあたしに、中臣は言った。
「…職業病、といいますか。」
「は?」
そんな言葉を、中臣はいきなり言い出した。
「事件に対して、少し好奇心で首を突っ込む癖とでも言いましょうか。不謹慎ですがね。」
「??」
中臣の心理がわからない。
いや元からコイツの心理なんかわかるわけないんだけど。
「だから、実央さんが困る必要はないかと。」
「困る?あたしが?」
「あれ、ちがいました?」
困ってる、そんな自覚ない。
そもそも何に困るっていうのよ。
困る事なら中臣がわからないって事くらい。
けど中臣がわからないのはしょっちゅうじゃね?