「…あの、警察達は私達を疑ってるんですよね……?」
前田が言う。
「でもさー、僕達には無理じゃない?
確かに僕と小夜ちゃんはトイレに行ったけどそんな時間掛けてたら怪しまれるよ。」
江口が迷惑そうに言った。
確かに江口の言う通りで、皆、殺人を犯すほどの時間がない。
席を立ったのは江口と前田の2人だけ
だけどトイレに行って時間をかければ怪しまれる。
2人もすぐ帰ってきたと証言している。
残るのは水川と品川だけど、2人はずっと自習室にいた。
犯行を行うのは全員、不可能なんじゃないの?
そう思って中臣を見る。
だけど中臣は焦る様子なんか微塵もなく、
むしろこの場を楽しんでいるようにすら思える。
「今回の犯行で、そんなに時間は掛からないと思いますよ。」
「ハァ?」
意味がわからない、と言うように品川が眉間にシワを寄せる。
「今回のトリック。
それはカーテンレールを使った犯行。」
カーテンレールを指差した中臣。
「被害者である遠藤さんはここ、資料室に1人でした。」
中臣の、推理が始まったー‥