透の姿を見つけてつい顔がゆるむ。
気持ちも落ち着く。


2人の関係は

「仕事がしにくくなるからバレナイように気をつけよう」


透に言われていた。





それなのに、目があった透が笑いかけてくれる。



バレルのも時間の問題のような気がする。


でも、透といるとホッとする。




これで、篤己さえいなければ本当に天国なのに。


あぁムカつく!!


篤己がここにいる事も。

上司ってことも。
 


「花形さん、ちょっと来てくれ。」

自分の個室から顔だけのぞかせ偉そうに篤己が呼びつける。


「……」


仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事
わたしは頭の中で言い聞かせた。


篤己は上司で、わたしは部下。

本心は無視してしまいたい。


でも、呼ばれたら行くしかない。