「何かあった…んだよね。何があったわけ?梓がそこまで子供っぽく怒るの珍しいね」

「…迷惑かけてごめんなさい」

「普段梓にはたくさん助けて貰ってるから、これくらい別にいいんだけど。大地が困りきった顔してんだもん」

「大地が悪いのよ」

「まあ、そうだろうね」



頬を膨らませる梓は普段からしたらあり得ないくらいお子ちゃま。

拗ねて機嫌悪くして八つ当たり。


「家の方でね、正式に婚約する事になったのよ」

「あー、ただの許嫁じゃなくて」

「そう。で、大地と話さなきゃならない事もたくさんあるでしょう?」

「…よく分かんないけど、あるんだろうなあ」


婚約ってフツーの高校生からしたら雲の上の存在っていうか。夢みたいっていうか。

身近にしても想像出来ないんだもん。