「煉、大丈夫だよ」

「分かってる」

「言わなかったのは悪かったけど」

「それも分かってる」

「…お互い水着だって分かってるわけ?普段は煉が気にするのに~」


ちょっとおちゃらけて、自制するように言うと、瞬間的に煉の腕の力が弱まったけれどすぐに力が籠る。


「言わなかった美姫が悪い」


ギュウ、とまるで迷子だった子供が母親の温もりを確かめるように抱きしめられる。


「どうせ美姫のことだから大丈夫だとは思ってたんだけど」

「うん。大丈夫だよ」

「でも、心配した」

「うん、ごめん。ありがとう」