「which」

「ドローだろ」

「だよねぇ」


疲労の持って行き場をなくした私と煉は上がった息を整えながら、岩場に上がり寝転ぶ。


「せっかくご飯作らせられると思ったのに…」

「そう言うけどな、もし美姫が買ってて俺が作る事になってたら1週間の飯は酷い事になってたからな」

「いや、だからこの機会に教え込もうかと」


で、たまに楽しようと思ったのになー。とわざとらしく嘆息すると煉に頭を小突かれる。


「俺だって本気で訊きたかったんだからな。美姫よりも真面目に」

「…分かってるよ」


あの嫌がらせの手紙。煉に話したら盛大に怒られて心配されるのは目に見えているから、今まで言わなかった。

けど、そろそろ限界かもしれない。

私が、じゃなくて煉が。