「失礼しました。言葉足らずですみません、あまりに対応が良かったもので」

「いえ、失礼だなんてとんでもない」


笑顔で対応する後藤さんはサービス業で長い人なんだな、きっと。

全てが慣れている。


「それより藍川様、そろそろお戻りになられた方がよろしいかと」

「…そうね、そうします。くれぐれもよろしくお願いしますね」

「勿論です」


お任せ下さいませ、と頭を下げる後藤さんに内心舌を巻く。

この人、学園に欲しいな。

…まあ、そう思った所で引き抜く理由がないんだけども。


ロビーに戻ると既に梓たちも揃っていた。


「美姫、何かあったの?」

「んー、あとで話すよ。大丈夫」

「そう?なら後でガールズトークにしましょう」


私の目配せに梓は的確に意味を汲んでくれた。