「葉山学園にこんな低俗な輩がいる事が周りに知れたらそれこそ私の落ち度です」


茶目っ気を持たせて、笑顔で告げる。

すると支配人は一瞬目を丸くして、笑みを作りわざとらしく頭を下げた。


「かしこまりました。他言無用は勿論の事、こちらは学園とは無関係な立場ですので、差出人を突き止めるの手回しは裏から出来ます」


差出人を突き止めるのは学園内にいる梓ではそう上手くはいかないのだ。


「頭の回る方ですね。お名前を伺っても?」

「名乗りそびれて申し訳ございません。後藤雅人と申します」


名刺を貰うと珍しく生年月日が小さく印刷されている。

…26歳か、やっぱり若い。


「お若いんですね」

「藍川様たちよりは老けていますよ」


あ、失礼だったか。年下から年上へ「お若いんですね」は見下したようにも聞こえる。