運転手に明けられたドアから煉が降りる。 先に降りていた大地と梓がドアの横に立っていて。 私は煉の手に自分の手を預けて、車から降りる。 「足元に気をつけて、美姫」 「ありがとう、煉」 口調は心掛けて上品に。 まだ生徒は近くにいないものの、油断は出来ない。なんせ、葉山学園の王姫は有名なのだから。 出迎えに出てきた空港のお偉いさんにもにっこりと微笑むのを忘れない。 「8時35分発だっけ?」 「そうそう。早く行くわよ」