「飛行機には間に合うわね」

「いや、もうほんとすみません」

「寝たの遅かったの?」

「結構…」


理由は言わなくても梓は察してくれた。

今は、だいぶ落ち着いてる。

昨日の煉に感謝だ。

…だけど、睡眠不足なのはどうしようもなくて。

車に揺られると眠気はより一層強くなる。


「…梓、着いたら起こして」

「はいはい」


隣の煉を見ると既に夢の中の住人で、大地が面白そうに笑っている。


「美姫ちゃん、これ使って」

「ありがと、大地」


大地に渡されたブランケットを広げて半分自分、半分は煉に掛ける。