「…んー、やっぱこんな感じだと思うんだよね。」
「…なんでこんなことになってんの!?」
「いいから!これでいこう!すいませーん!」
現在。
超有名ブランド店。
あろうことか無理矢理試着室に押し込まれた。
「ちょっと蒼…私、そんなお金持ってないんだけど…!!」
私が顔だけ出して蒼に言うと、蒼が星が出てきそうな勢いでウィンクを投げてくる。
「今日は俺から律萪ちゃんにプレゼント♪だから気にしないでそのまま出てきて。」
「でも…。」
試着室で躊躇していると、グイッと手を引かれる。
「…っ蒼!?」
「律萪ちゃんがうじうじしてるからだよ。」
蒼は悪戯っぽく笑うと私の手を握ったまま、店内の品物を物色しはじめた。