「蒼がフォローしてくれなきゃ、私今ごろきっとNGの地獄だったよ…。」
私が言うと、ちぃくんは一瞬キョトンとした顔をする。
「…あれ、私、変なこと言ったかな?」
「ううん、続けて。」
そう言って笑みを深くするちぃくんに不思議に思いながらも、私はちぃくんに愚痴を聞いてもらった。
「でも、これを乗り越えたらきっとりっちゃんも一人前の女優さんになれるんじゃない?」
そう言ってくれるちぃくんに笑いかけて、私は甘いミルクティーを一口飲む。
「あ…そういえば。」
落ち着いたら、次の段階への大事なことを忘れていたことに気付いた。