「りつねぇ〜〜っ!!」
「…わっ!?美羽ちゃん!どうしたの?」
「もーっ、さっきから呼んでるのに、りつねぇぼーっとしたまま動かないんだもん!」
可愛いほっぺたをすこし膨らませながら、美羽ちゃんが言う。
「ごめんごめん。」
苦笑いしながら謝ると、美羽ちゃんはいきなり笑みを浮かべて隣の椅子に腰掛けた。
「…りつねぇ、今、蒼さんのこと見てたでしょ。」
美羽ちゃんの言葉に一瞬ポカンとなったあと、私は全否定した。
「えっ!?ないないない!!」
「嘘だ。見てたよ。ずーっと!」
「もー、マセガキ美羽!見てないの!睨んでたの!」
美羽ちゃんは呆れ顔で私を見る。
「もー、りつねぇは素直じゃないなぁ。そんなんじゃモテないよ?」
…そんなやりとりをしながら、私は休憩時間を過ごした。