…で、今に至るんだけど。



「律萪ちゃん、表情かたいよ!もっと自然な感じを出して!」


「…すみません。もう一度お願いします。」


さっきからNGを連発して、私は何度目か分からないくらいに頭を下げる。




「…仕方ない。休憩を入れよう。20分後にまた同じシーンを始めるぞ。」


プロデューサーは苦い顔をしながらスタッフさんたちに告げる。
私はもう一度頭を下げた。




…情けない。
みんなに迷惑かけて、足を引っ張って。
撮影のスケジュールだってあるのに…。



「はぁ…。」


休憩所で、私は大きなため息をついた。