「やっぱりモデルさんなだけあって綺麗だね。」
ニコニコ笑いながら、湊さんはそんなことを言う。
「やだぁ、湊さん変態オヤジみたい。りつねぇを変な目で見ないでください!」
美羽ちゃんが私の腕を掴みながら湊さんに言う。
「こら美羽、仮にも俺、お前の先輩だぞ?」
「でも歴は変わんないじゃないですか〜!!」
美羽ちゃんと湊さんの会話がすごく砕けた感じだから、私はすこし驚いた。
「美羽ちゃんと湊さんはすごく仲が良いんですね。」
私が言うと、湊さんは笑顔で説明してくれる。
「よく共演しててさ。もう美羽は妹みたいな感じなんだ。」
それに、美羽ちゃんも笑顔でうなずいた。
「そうなんです。湊さんにはいつもよくしてもらってます。」
…美羽ちゃんって、気さくで砕けた口調で話すけれど、いつも礼儀を忘れていない。
挨拶とか、感謝の気持ちとか、そういうことはきっちりする。
改めて、この世界のベテランなのだと感心した。