「あ、りっちゃん。」
ちぃくんは私のことを社長と同じように『りっちゃん』って呼ぶ。
「なぁに?ちぃくん。」
私が首をかしげると、キラキラの王子様スマイルを浮かべてちぃくんが言う。
「越野ディレクターが、りっちゃんのこと褒めてたよ。小さな脇役でも大事に演じてるって。この前のドラマのりっちゃんの演技、見てたみたい。よかったね。」
ちぃくんの話に、社長も微笑んでくれる。
「りっちゃんは真面目で仕事熱心だもんね。」
「…ありがとうございます!」
私は思わず頭を下げた。
「律萪の、頑張りはいつか認められると思う。」
ぽん、と私の肩を叩いて、さっくんも微笑んでくれた。