「わりぃ。

ちょっとオレ自身もまだ
整理できてなくて――…。

今はまだ、話せない」



「え―――…!?」



「……少しだけ、待ってくれ。

落ち着いたらちゃんと話すから」



そう言うと、爽介は右手で
そっとあたしの肩に触れた。


申し訳なさそうな声で続けて、



「今日は一人で帰ってくれ。

オレも――一人で走って、
頭冷やしたいんだ――」



「爽介…………」



『一人で走る』っていう
のはバイクのことだ。



そんなことまでしないと
いけないくらい、重大な
話をしてたってことなの……?