「亜莉紗――…。

なんだ、待ってたのか?」



「――ウン。

せっかくだし一緒に
帰ろうと思って。

話、長かったね。
なんだったの?」



内心はドキドキしてた
けど、表面上はつとめて
さりげない声を出したつもり。



話の内容を確認するの
だって決して不自然じゃ
ないはずだし、爽介も
普通に答えてくれるだろう。

そう思ってた。



ところが――…。



「あぁ……ちょっとな」



爽介は、そんなあまりにも
爽介らしくない曖昧な
言葉で、答えを避けた。



(え…………?)



驚きと戸惑いですぐには
言葉が出ない。