「爽介の店に………!?」



あたしは質問をおうむ
返しにしたまま動きを
止めてしまった。



言われて初めて“そんな
方法もあるんだ”って
気づいた感じで、今まで
そんなこと少しも考えて
なかったから。



だけど――考えてみれば、
たしかにそれはありえない
ことじゃない。



あたしの立場を考えれば
そう思ったって不思議は
ないし、現に社長の娘の
あたしならそれは現実にできる。



パパに頼めばきっと、
あたしも爽介の店の
スタッフになることは
できるだろう。



(ホント……どうして
今まで、これっぽっちも
それを考えなかったんだろ)