そう雫はつけ加えた。



「そっか………」



同じパティシエだからこそ
わかる予感ってゆーか、必然。



そんなのが雫には――
ひょっとしたら貢にも
あったから、さっき二人は
あんまり動揺してるように
見えなかったのかもしれない。



「意外と冷静だから、
ちょっと驚いたわよ」



冗談めかして言うと、雫は
少しだけ声を大きくした。



「よく言うわ。

それはこっちのセリフよ」



「アハハ……そーかもね」



雫とこんな話をしてる
なんて、不思議な感じだ。



昔……あたしがルナに入る
前、雫はずっと爽介の
ことを好きだった。