その日は、莉乃と同じ電車で帰った。

「明日から部活見学だね! 瑞穂は部活どうするの?」
 莉乃にそう聞かれ、私は少し戸惑った。そりゃあ、吹奏楽を続けたいっていう気持ちもあるけれど……でも、中学までずっと続けてきた吹奏楽には友達がなかなか出来ずに一人ぼっちだった寂しい思い出しかない。

「莉乃はどうするの?」
「あたしは柔道部! 中学から続けてるんだ。結構上手いんだよー」

 柔道かぁ……。せっかく友達になれた莉乃と同じ部活に入りたいなーとも思ったけど、私は柔道は出来ない。どうしよっかな……。

「じゃあ、またね」
「うん、ばいばい」